安定した職業
作業療法士とは、日本作業療法士協会の規定によると、身体または精神に障害のあるもの、またはそれが予測されるものに対してその主体的な活動の獲得をはかるため、諸機能の回復・維持および開発を促す 作業活動を用いて行う治療・指導・援助を行うこととなっています。
手工芸、絵画、音楽、生活動作訓練などの作業療法を行い、患者の自立や社会復帰などを目指す、リハビリテーションのエキスパートです。
福祉関連の職業は、需要もあり、政府も力を入れていますので、これからも人気が高い安定した職業となりますが、作業療法士はその中でも人気が高い職業といえます。
作業療法は子供からお年寄りまで、生活に障害を持つ全ての人に関わる医療をはじめ、保健、福祉、教育・職業領域と幅広い分野で展開されているのですが、作業療法を必要としているのは、一般的な障害者にだけ必要とされているのではありません。
障害には病気や事故のため身体に障害を負った身体障害、発達時期に障害を受けた発達障害、精神疾患により生活に障害をもった精神障害があります。
この障害は事故や病気などが原因で、確率的にはそう高くはなく、一般的に障害者であるとみなされます。
ですが障害には、老年期障害というものが存在します。
さまざまな疾患や諸機能の低下をもつ老人に起こるもので、老齢期を迎えれば誰もが起こる可能性が高いものだといえるのです。
確かに老年期障害も障害の一種です。
ですが病気や事故による障害と違い、一般的に障害とみなされることは少なく、高齢化社会の日本においては誰もが起こりえる障害ともいえるのです。
そのため作業療法士は、様々な福祉の現場で必要とされるとても重要な仕事だといえるのです。
作業療法士になるには
作業療法士になるには、国家資格が必要となります。
作業療法士の養成課程がある大学、短大、専門学校で3年以上学び、所定の課程を修了することで受験資格を得ることができます。
試験自体の合格率は80%ほどで、確率自体は高いのですが、専門課程を卒業した人が受験しているため数字ほど楽なわけではありません。
また現役(新卒)での合格率が、既卒を大きく上回っているという特徴があり、本気で勉強している人が合格しているという証拠でもあります。
試験的には大学受験などのように、安定はしていません。
年度によって難易度は異なり、過去問は参考程度にしか役には立ちません。
これは近年作業療法士の国家資格の内容が大きく変わることも多いためだといわれています。
そのため現役のほうが合格率が高い要因にも繋がっています。
作業療法士は人気が高い安定した職業というだけではなく、非常に重要であり責任も伴う仕事です。
そのため試験が難しいというのは、仕方のないことだといえるでしょう。